研究概要

自律分散システム

社会は自律分散的なシステムとして構成されます.中心があり,それによって全てが制御されるのではなく,様々な人々や行動要素の結合として表現されます.たとえば,会社組織は個々人が独立に意思決定しているにも関わらず,様々な制度やフィードバック,コミュニケーションを用いて全体として上手く機能します.また,都市は人の移動や投資活動の中で姿を変容させながら,存在し続けます.さまざまな人を含んだ自律分散システムを研究対象としてとらえ,主にモデルベースの手法によりあらなた社会・技術システムの提案や,系の理解を進めています.

電子情報通信学会 2012年総合大会 電力問題へのさまざまなアプローチ「人工知能的アプローチ」 講演資料 from Tadahiro Taniguchi

1. 自律分散型直流スマートグリッド i-Rene

このままでは,私達の文明を支えるエネルギーは枯渇します.産業革命以降の化石エネルギーの利用はわたしたちを大いなる繁栄へと導きましたが,現在そのエネルギーは枯渇に向っています.風力や太陽光といった再生可能エネルギーを爆発的に普及させるためには,それらの特徴にあった,分散的な電力ネットワークへ姿を変えていく必要があります.私達は,自律分散型直流スマートグリッドi-Reneを提案し,これを構成する知能技術、社会・経済制度の研究を行っています。

主要な研究業績

1. 谷口忠大
自律分散型スマートグリッドおける適応的電力融通手法 人工知能によるボトムアップな市場価格形成と電力需要応答の動態分析
人工知能学会論文誌, Vol.28 (1), pp. 77-87 .(2013)  [LINK]
2. Tadahiro Taniguchi, Shiro Yano
Decentralized Trading and Demand Side Response in Inter-Intelligent Renewable Energy Network
The 6th International Conference on Soft Computing and Intelligent Systems / The 13th International Symposium on Advanced Intelligent Systems , .(2012)
3. 谷口忠大、高木圭太、榊原一紀、西川郁子
地産地消型電力ネットワークの為のNatural Actor-Critic を用いた自動取引 エージェントの構築
知能と情報(日本知能情報ファジィ学会論文誌), Vol.21 (6), pp. 1078-1091 .(2009)  [PDF]
4. 矢野史朗, 谷口忠大
地産地消型スマートグリッド自律分散制御のためのFeedback-Nash均衡解導出
第25回自律分散システム・シンポジウム, .(2013)

参考URL: i-Rene プロジェクト

2. 交通行動と転居行動の相互作用による都市のダイナミクス

都市はあらゆる組織と同様に生き物であり、創発システムです。近年、注目される都市問題を創発システムの視点から、理解する為に、都市の形態変化のダイナミクスを居住エージェントの適応的行動変化の中から理解しようと、マルチエージェントシミュレーションを通した研究を行っています。

主要な研究業績

1. 谷口忠大,高橋佑輔
交通行動の居住地選択行動への影響を仮定した都市動態のマルチエージェントシミュレーション
計測自動制御学会論文集, Vol.47 (11), 571-580 .(2011)  [PDF]

3. 役割分化やコミュニケーションの発生に関する構成論的研究

人間は複数集まって集団・組織をつくります.そこで、お互いに役割を生み出し分担を行うことで効率的に活動を行うことが出来ます.しかし,このような適応知能を人工的な知能に行わせるのは困難です.役割分化の計算過程を理解し,そのような事が可能な知能システムの構築と人間組織の組織論的な機能理解を目指して研究しています.

主要な研究業績

1. Tadahiro Taniguchi, Kazuma Tabuchi, and Tetsuo Sawaragi
Adaptive Design of Role Differentiation by Division of Reward Function in Multi-agent Reinforcement Learning
SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration (JCMSI), Vol.3 (1), pp. 26-34 .(2010)  [PDF]
2. T. Taniguchi, K. Ogawa, and T. Sawaragi
“Implicit estimation of other’s intention without direct observation of actions in a collaborative task: Situation-Sensitive Reinforcement Learning”,
SICE Annual Conference 2007, in CD-ROM .(2007)SICE Annual Conference 2007 International Award Finalist ノミネート [PDF]
3. 谷口忠大,小川賢治,椹木哲夫
“動的目標変化を含む協調タスクに対する状況弁別型強化学習機構の適用”,
第50回システム制御情報学会研究発表講演会,, .(2006) 2007年システム制御情報学会学会賞「奨励賞」+「砂原賞」受賞 [PDF]