研究概要

記号創発システム

なぜ人間同士はコミュニケーション出来るのでしょうか?

はたして,人間とコミュニケーション出来るロボットは創れるのでしょうか? 記号(含む、言語)を「与えられたモノ」として捉えるのではなく、人間や自律ロボットが環境や他者との相互作用を通して創発するモノとして捉え,構成論的アプローチを通じて理解しようとするのが、記号創発システム論研究です.

最近ではロボティクス分野と密な連携を図り「記号創発ロボティクス」というキーワードでも研究を推進しています.

1. 二重分節構造に基づく非分節情報からの模倣学習

人間の幼児は親の動作を見ている中で、また、親の発話を聞いている中で勝手に、様々な動作、様々な言葉を覚えていきます。こんな事ができるロボットは創れるのでしょうか?簡単に思えますが、それは難しい事です。

逆に、人間はそれを易々と行ないます。これは一体、どのような脳機能によって担われているのでしょうか?
動作の中に潜む,二重分節構造に着目しながら,人間の動作を自動的に分節化し,模倣する機能のモデル化を行なっています.

主要な研究業績
  1. Tadahiro Tagniguchi and Keita Hamahata and Naoto Iwahashi
    Unsupervised Segmentation of Human Motion Data Using Sticky HDP-HMM and MDL-based Chunking Method for Imitation Learning
    Advanced Robotics, Vol.25 (17), 2143–2172 .(2011)  [PDF]
  2. 谷口忠大、岩橋直人
    複数予測モデル遷移のN-gram統計に基づく非分節運動系列からの模倣学習手法
    知能と情報(日本知能情報ファジィ学会論文誌), Vol.21 (6), pp.1143-1154 .(2009)  [PDF]
  3. Tadahiro Taniguchi, Shogo Nagasaka
    Double Articulation Analyzer for Unsegmented Human Motion using Pitman-Yor Language model and Infinite Hidden Markov Model
    2011 IEEE/SICE International Symposium on System Integration, .(2011)  [PDF]
  4. 【特許】 発明者 谷口忠大,岩橋直人,動作学習装置,特願2008-125720, 特許第5252393号 .(2008)

2. 自律適応系によるシェマ形成を通じた記号過程の創発

ロボットから見た世界は、私達が見る世界とはまるで違うはずです。では、一体、その世界の中でロボットが区別するモノゴトは私達の区別するものごとと一緒なのでしょうか?記号や概念を創発的な実体として捉え、構成論的なアプローチによってこれに迫っています.

主要な研究業績

  1. T. Taniguchi, T. Sawaragi,
    Incremental Acquisition of Behaviors and Signs based on Reinforcement Learning Schema Model and STDP
    Advanced Robotics, Vol.21 (10), pp. 1177-1199 .(2007)  [PDF]
  2. 谷口 忠大, 椹木 哲夫:
    “報酬設計を通した社会的相互作用による行為概念群の構築:シェマ理論に基づいた累増的強化学習 ”
    知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌), Vol.18 (4), pp.629—640 .(2006)  [PDF]
  3. 谷口 忠大, 椹木 哲夫:
    “汎化行為概念の適応的獲得 —双シェマモデルベースの強化学習—”
    計測自動制御学会論文集, Vol.42 (3), pp.257–264, .(2006)  [PDF]
  4. 谷口 忠大, 椹木 哲夫:
    “身体と環境の相互作用を通じた記号創発:表象生成の身体依存性についての構成論”
    システム・制御・情報学会誌, Vol.18 (12), pp.440—449 .(2005)システム・制御・情報学会学会賞「論文賞」受賞 [PDF]
  5. 谷口 忠大, 椹木 哲夫:
    “双シェマモデル”
    人工知能学会論文誌, Vol.19 (6), pp.493-501 .(2004)  [LINK]

3. 二重分節解析に基づくドライバの運転予測と意図理解

image 車の運転において人間のドライバーは環境を運転の文脈にしたがってまとまった単位で,記号的に捉えています.

この認識の単位をノンパラメトリックベイズ理論にもとづく二重分節解析器によって自動的に推定し,運転挙動の予測や,意図変化点の抽出,また,それを応用した運転動画要約手法の提案などを行なっています.

※本研究の多くは株式会社デンソーとの共同研究により行われています.

主要な研究業績
  1. Tadahiro Taniguchi, Shogo Nagasaka, Kentarou Hitomi, Naiwala P. Chandrasiri, and Takashi Bando
    Semiotic Prediction of Driving Behavior using Unsupervised Double Articulation Analyzer
    2012 IEEE Intelligent Vehicles Symposium, 849 – 854 .(2012)  [PDF]
  2. Kazuhito Takenaka, Takashi Bando, Shogo Nagasaka, Tadahiro Taniguchi, Kentarou Hitomi
    Contextual Scene Segmentation of Driving Behavior based on Double Articulation Analyzer
    IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems 2012 (IROS 2012), 4847-4852 .(2012)
  3. Kazuhito Takenaka, Takashi Bando, Shogo Nagasaka, Tadahiro Taniguchi
    Drive Video Summarization based on Double Articulation Structure of Driving Behavior
    ACM Multimedia 2012, .(2012)

Double Articulation Analyzer を用いた運転動画要約