研究概要

ttl_robotics

旧来の人工知能研究、ロボティクス研究では、いかに「機能」を持ったロボットを作るかということに焦点が当てられてきたように思います。一方で、知能ロボット研究は、人間の知能自体を理解したいという願望にも根差しています。
認知発達ロボティクスでは、人間の認知発達過程にみられる知能形成過程を数理モデルやロボットを通して実現する事で、赤ちゃん、人間の知能理解に努めようとするアプローチです。
特に最近では記号創発システム論と一体化し「記号創発ロボティクス」として言語や実世界認識を統べる知能の実現を目指して研究を行なっています.

SCI’13 第57回システム制御情報学会研究発表講演会
招待講演「記号創発システムの計算知能による表現に向けて:記号創発ロボティクスのアプローチ」 発表スライド

1. ロボットによるマルチモーダル概念形成と言語獲得

imageimage
ロボット自身の視覚,聴覚,触覚といったマルチモーダルな感覚情報をベイズ学習にもとづいて統合し,
実世界相互作用を通じて,幼児がそうするように,言語を獲得させるロボットについての研究を行なっています.
このような研究を通じて,「言語を獲得しうるロボット」の可能性を示し,「人間が言語を獲得するプロセス」「人間の言語獲得を支える脳機能」に示唆を与えることを目指しています.

主たる研究業績
  1. Takaya Araki, Tomoaki Nakamura, Takayuki Nagai, Shogo Nagasaka, Tadahiro Taniguchi, Naoto Iwahashi
    Online Learning of Concepts and Words Using Multimodal LDA and Hierarchical Pitman-Yor Language Model
    IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems 2012 (IROS 2012), 1623-1630 .(2012)
  2. 福田一 竹下卓哉 谷口忠大
    マルチモーダルカテゴリ推定のための最適な行動選択
    2013年度人工知能学会全国大会(JSAI2013), .(2013)
  3. 福田 一,谷口 忠大
    無限関係モデルを用いた物体と特徴のマルチモーダルカテゴリ形成
    第13回 計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会, .(2012)
  4. 中村友昭,荒木孝弥,長井隆行,長坂翔吾,谷口忠大,岩橋直人
    マルチモーダルLDAと教師なし形態素解析による認識誤りを含む文章からの概念・語意獲得
    2013年度人工知能学会全国大会(JSAI2013), .(2013)

2. 自己位置と地図と言葉の同時獲得に関する研究

sigverse  ロボットは自己位置を不確実にしかわかりません.これを補うために,言語による教示を用います.一方で,言語による教示も不確実にしか認識されません.この言語と空間の不確実性をこれらをお互いに利用することで,より効果的な位置概念の獲得をめざします.
主たる研究業績
  1. 谷口彰,吉崎陽紀,谷口忠大
    不確実な音声認識を前提とした自己位置と語彙の同時推定モデル
    第57回システム制御情報学会研究発表講演会, .(2013)  [PDF]
  2. 谷口彰 吉崎陽紀 稲邑哲也 谷口忠大
    Sigverseを用いた自己位置と位置概念の同時推定に関する研究
    2013年度人工知能学会全国大会(JSAI2013), .(2013)

3. 連続的相互作用からの応答戦略獲得

幼児期にみられる役割交代模倣という学習フェーズに示唆を得て、人間とロボットが自然に関わり合う中で、ロボットが自律的に応答戦略、行動則、または人間の発するサインの意味を学習していく仕組みを研究しています。人間の発話や行動に対して,ロボットがどういう動作を返すかという応答の関係性は,自明ではなく,本来は社会的なインタラクションの中から学ばねばなりません.本研究はその先に対話戦略学習などを考えながら進めています

主要な研究業績
  1. T.Taniguchi, N. Iwahashi, K. Sugiura, and T. Sawaragi
    “Constructive Approach to Role-Reversal Imitation Through Unsegmented Interactions”
    Journal of Robotics and Mechatronics, Vol.20 (4), pp.567-577 .(2008)  [PDF] [LINK]
  2. T. Taniguchi, H. Nakanishi, and N. Iwahashi
    Simultaneous estimation of role and response strategy in human-robot role-reversal imitation learning
    The 11th IFAC/IFIP/IFORS/IEA Symposium on Analysis, Design, and Evaluation of Human-Machine Systems, in CD-ROM .(2010)  [PDF]
  3. 谷口忠大,岩橋直人,中西弘門,西川郁子
    ヒューマン・ロボットインタラクションを通した役割反転模倣に基づく実時間応答戦略獲得
    第23回人工知能学会全国大会, .(2009)  [PDF]
  4. Naoto Iwahashi, Komei Sugiura, Ryo Taguchi, Takayuki Nagai, and Tadahiro Taniguchi
    Robots That Learn to Communicate: A Developmental Approach to Personally and Physically Situated Human-Robot Conversation
    Dialog with Robots AAAI 2010 Fall Symposium, in CD-ROM .(2010)  [PDF]

4. ロボットによる異種感覚情報統合と身体図式の獲得

図はペンフィールドのホムンクルス,人間の脳内に獲得されているとされる,身体のマップです.ロボット自身が自由に動くためには,ロボット自身が自らの身体を理解せねばなりません.人間の脳は身体の動作をコンパクトな表現として脳内に形成しています.このような身体図式をロボットに自律的に獲得させる事を目指します.

主要な研究業績
  1. Tatsuya Hirose, Tadahiro Taniguchi
    Abstraction Multimodal Low-Dimensional Representation from High-Dimensional Posture Information and Visual Images
    Journal of Robotics and Mechatronics, Vol.25 (1), 80–88 .(2013)  [PDF]
  2. 谷口忠大,太田敬太
    カーネル正準相関分析による視覚姿勢情報統合に関する構成論的研究
    第26回ファジィシステムシンポジウム, .(2010)  [PDF]